新型コロナウイルスの感染拡大により、日常的にマスクを着用する生活が浸透しています。
しかし、長時間マスクをしていると、口内が乾燥していると感じることはありませんか?
マスクが喉の乾燥を防ぐと思われがちですが、逆に乾燥を引き起こす原因になります。
マスクを長時間装着すると息苦しさを感じ、普段の鼻呼吸から口呼吸に切り替えがちになります。この口呼吸が口内の乾燥を引き起こします。
口内が乾燥する状態を医学的には「ドライマウス」と呼びます。この状態は、唾液の分泌減少により、口の中が乾くことを指します。これが原因で話しにくくなったり、食べ物が飲み込みにくくなるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。
ドライマウスは、唾液の分泌が不足することにより、口の中が常に乾燥してしまう状態を指します。これはさまざまな原因によって引き起こされることがあります。たとえば、特定の薬剤の副作用、自己免疫疾患(シェーグレン症候群など)、放射線治療、糖尿病、ストレスや不安、脱水状態などが挙げられます。
ドライマウスの症状には、口の渇き、食事の際の嚥下困難、味覚の変化、口臭の増加、歯の問題(虫歯のリスク増加)、口内炎の発生などがあります。この状態は生活の質に影響を与えるため、適切な診断と治療が推奨されます。
虫歯や歯周病の進行には、歯垢という細菌が影響しています。この歯垢は、食事の残りや不十分なブラッシングによる汚れが口内の細菌と合わさることで形成されていきます。
唾液は、歯垢を洗い流す効果がありますが、ドライマウスによって唾液の量が減少すると除去されずに残ってしまい、結果として虫歯や歯周病が進行することになります。
一度進行した虫歯や歯周病は元の健康な状態には戻りにくいため、早期の発見と治療が非常に重要です。
ドライマウスの原因はマスクの着用以外にも多岐にわたります。
薬の副作用、ストレス、糖尿病、甲状腺機能障害、腎不全、筋力の低下、脱水、放射線治療、加齢などが挙げられます。これらが重なると、ドライマウスの症状が出やすくなります。
タバコ、アルコール、カフェインの摂取を減らし、硬い食べ物を食事に加えてよく噛むことが重要です。
また、鼻で呼吸することを意識し、ストレスを溜め込まないようにリラックスする時間を設けることも効果的です。健康的な生活リズムを保ち、室内の湿度を適切に保つこともドライマウスの改善につながります。さらに、会話や歌唱などで顔の筋肉を活用することもおすすめします。
ドライマウスの症状を緩和するためには、唾液の分泌を促す食べ物が効果的です。
特に酸っぱい食べ物は唾液の分泌を促しますが、過度に摂ると歯に悪影響を及ぼす酸蝕症のリスクがあるため、注意が必要です。酸っぱい食品を適量にとりつつ、他にも唾液分泌を助けるこんぶや納豆、硬い食べ物などを取り入れることがおすすめです。
唾液の分泌を促すのにはガムも効果的です。ただし、砂糖が含まれているものは虫歯を引き起こす可能性があるため、キシリトールを含んだガムがおすすめです。キシリトールガムは、食後に噛むことで虫歯予防にも効果的です。市販のものよりも、キシリトール含有率が高い歯科医院で販売されているガムを選ぶことで、より良い結果が期待できます。毎食後の習慣にすると良いでしょう。ただし、ガムの種類によってキシリトールの含有率が異なるため、選ぶ際には注意が必要です。
ドライマウスによって虫歯や歯周病が進行してしまっている可能性がるかもしれません。
お口の乾燥が気になる方は、福岡市南区にある歯医者【うらかわ歯科医院おさむオフィス】までお気軽にご相談ください。